夜は〇〇 思いっきり生じゃぽん!

(英日←米、英日:R15、英日←海)

(4)突撃!隣の晩御飯(夜のおかず編) (英日:R15)


 右側に明るい金髪の19歳。左側に濃い金髪の23歳。
 金髪マニア垂涎のフォーメーションはがっちりと私の身体を抱きしめて離しません。
 暑苦しいことこの上ない。
 ホラー映画鑑賞会に肝試しを終えた後、私の寝室へ転がり込んだのはいつもの通り、イギリスさんとアメリカさん。むやみに抱きつくアメリカさんに、手をそわそわと宙に這わせるイギリスさんのコンビは凶悪で、私は二人をさっさと蹴りだして蒲団に潜り込んだのですが、数分後にはがっちりとホールドされています。
 怖い怖いという割には、アメリカさんはさっさと眠ってしまいましたし、手をもぞもぞと動かすイギリスさんはみぞおちに肘鉄をお見舞いしたら静かになりました。
しかし、眠りのタイミングを逸した私は一時間経っても眠れません。ステレオで聞こえる寝息が苛立ちを倍増させる。
 私は二人を起こさないようにそっと身体を抜け出させ、台所へと向かいました。

 網戸越しに台所にはひんやりした夜気が入ってきます。
 私の手にあるのは熱いほうじ茶。夏の盛りですが、眠れない夜は熱いお茶をゆっくり飲んで落ち着くに限ります。暑苦しい寝室ではなく、居間の座布団で眠るのもよいかもしれません。
「・・・日本」
 ふと背後に気配を感じ、振り向くと寝ているはずのイギリスさんがいました。
「起こしてしまいましたか?」
「最初から寝てねぇよ。あんな肘鉄、俺に効くわけがねぇ」
 口の端に浮かぶのは、紳士の微笑でも照れ隠しの笑みでもありません。緑の瞳は凶暴なネコ科のもの。すぐさま、私は罠にかかったことを悟りました。全くこの方は性質が悪い。
「じゃあ、寝ましょうか。夜も遅いですしね」
「寝る前にすることがあるだろ?」
 いきなりでした。
 腰を引き寄せられ、強引に唇を奪われます。身構える間もなくこじ開けられた唇から、容赦なくねっとりとした舌が侵入し、上あごに歯茎、舌の裏側、口中のすべてを蹂躙されます。悔しさにその舌に応じないでいれば、腰に回された左手に浴衣をたくし上げられ、大腿の筋にそってゆっくりとなで上げられます。上半身の浴衣は肩から下ろされ、鎖骨や胸があらわになっていました。
「・・・んっ」
 小さく声をもらすとようやく唇は解放されました。しかし、一息つく間もなく、イギリスさんの濡れた唇は私の耳へと這って行きます。耳たぶへの軽い甘噛みは電流となって私の背筋を走りました。
「やぁっ」
 逃げようにも、右腕で彼の腰へと引き寄せられているのでかないません。むしろ、彼は身をくねらせた私の腰に、硬度を増しつつある彼自身をぐりぐりと押し付けてきます。彼と私の性器が布越しに擦れ、私の体温が上がりました。
 彼の左手はといえば、大腿から早くも尻にたどり着いていました。前への愛撫に加え、やや乱暴に尻をもまれ、下着の脇から窄まりを指で軽く押されるともういけません。あの、私を貫く熱い塊のことしかしか考えられなくなります。
 意地悪しないで。
 そっとしないで。
 熱い昂ぶりで深く刺して。
 奥まで入れて。搔きまぜて。どうにかなりそうなくらい激しく動いて。
 あなたを全部下さい。
「もうすぐ美味しいのやるから、そんなにねだるなよ」
 要求を声に出したつもりはなかったのですが、イギリスさんはとっくにお見通しのようです。無意識のうちに私は足を開いては閉じ、股で彼の指を挟んで誘っていたのですから。
 己の痴態を知り、羞恥に震える私の頭をイギリスさんは優しく撫で、私の手を彼の中心へと導きました。服越しでも分かるその大きさに、私は安堵しました。彼も同じ気持ちでいてくれるのです。会うこともできなかった時代に比べれば、なんという幸福なのでしょう。
「ここでやるか?それとも、風呂場に行くか?」

 嬉しそうな口調が少し悔しいですが、仕方ありません。
 私は彼には弱いのです。それから、彼のくれる快楽にも。
 私は子供のように「お風呂」とだけ答え、イギリスさんの胸に身を投げました。

 一仕事終えた私たちが寝室に戻ると、アメリカさんはまだすやすやと寝息を立てています。三組ひいた蒲団の中央で大の字になって、田舎に遊びに来た小学生のようです。
「日本、あのな、どうしてもっていうなら、蒲団に入れてやらないこともないぞ。
 勘違いするなよ、俺は抱き枕がないと眠れないだけであって、お前とべたべたしたいとか、夢の中でも抱きたいとかじゃないからな」
 窓側の蒲団に潜り込んだイギリスさんは、先ほどまでの余裕はどこへ行ったのか、またもツンデレを発動しています。あんなことをした直後に今更、勘違いも何もないでしょう。
 私は一人仲間はずれにしてしまうアメリカさんの寝顔に謝りながら、愛しい人の腕の中へ忍びこみました。
 軽くキスを交わし、風呂場では私を翻弄した腕に頭を預けます。彼の温もりが優しくて、熱帯夜だというのに胸に頬を寄せてしまいました。心地よい疲労が身体を支配し、まぶたが重くなっていきます。
 こんな風にアメリカさんを放置して二人でくっついて寝ているのを見たら、彼は膨れるでしょうね。私は朝からハンバーガーを作らなくてはならないかもしれません。
 でもこの瞬間は、私は孫よりも恋人をとります。全くもって悪いおじいちゃんです。
「おやすみ、日本」
額へのキスと囁きが私を深い眠りに誘います。滑らかな鎖骨に唇を寄せて私も返しました。
「おやすみなさい、イギリスさん」
 夢の中でも抱きしめてくださいね。

(5)シー君の警視庁24時 (英日←海)

風呂場のアヒルはメリカが置いていったものです。
イギも他人に見せられないモノを色々置いています。
二人ともデレがひどすぎる。

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